きみは今日も美しい。
ルークはすっかりオヤツのとりこだ。
飼い主さんたちのポケットやカバンに長いマズルをグイグイとおしこむ。
まるで奈良公園の鹿だ。
あのこたちも鼻をグイグイとポケットに入れてくるものだからびびる。
こういうときのルークは飼い主(わたし)が見えなくなる。
他の飼い主さん(のオヤツ)に夢中なのだ。私がおやつをあげようとしても、取りに来ない。
自宅のおやつはいつでも食べられる、といった感じか。
隣の芝生はあおく見えるようで、まぁ実際青々として美味しそうなオヤツばかりなのだ。
今日一番のイキイキ顔だった。
みんなでドン!をしたが勝手が分からず、ビリのルーク。
紅梅が咲き始めた。
おばさまが枝先をぐいっと自分の鼻に引き寄せて、香りを感じている。
同じことをしてみる。
ほのかに甘いなんともいえない良い香りだ。
小さい頃、なぜ香水など存在するのだろうか?と疑問だった。
くさい、でしかなかったからだ。
私が大きくなったら、パンの匂いやその時大好きだった中華屋の醤油ラーメンの匂いの香水だったらつけてもいいなと思っていた。
なので、匂いの強い花も苦手だ。が、この梅はほどよく心地よい濃度の香りだ。
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我が家のフィカス・ウンベラータという植物は年末に突然落葉しだした。
まるで大きな悲劇があったかのごとく、大粒の涙のような葉っぱが毎日毎日こぼれた。
それを拾いゴミ箱に捨てるのも心苦しかった。
すべて落葉しても春には生えてくるとは聞いていたが、このままでは茎もすべて朽ち果てるような気がした。
冬の植え替えなど御法度だとわかりつつ、いやでもこれは!と思い切り植え替えをした。
結局、根詰まりが原因で、呼吸が出来ないほど根がびっしりだった。水が吸えない状態だ。
今では新しい鉢の土に根付き、新しい芽も日に日に大きくなってきたのがわかる。
落葉も残り数枚の葉を残してピタリと止まった。観察の日々だ。